事例詳細(4)
株式会社トーハン様 ポイントシステム
「e-honブックショップメンバーズ」
購買データを活かすシステム構築で、効率的な商品供給を実現 書店の店頭やオンライン書店「e-hon」での購買にポイントを付与し、貯まったポイントに応じて景品と交換できるサービスを実現するシステム。ポイントの管理だけではなく、会員の購買履歴など、商品供給やプロモーションなどに活かす為のデータ取得を実現する。
| 開発期間 | 11か月 |
|---|---|
| 開発規模 | 184kStep、TERASOLUNA部分(オンラインのみ)150kStep |
| ユーザ数 | 会員想定数:100万人、加盟書店想定数:700店 |
インタビュー
本システムのNTTデータ開発メンバにTERASOLUNA適用についてインタビューしました。
○ 流通・サービス事業本部ソリューション開発BU 第二統括担当 細田 浩司
○ 流通・サービス事業本部ソリューション開発BU 第二統括担当 鳥居 宏行
システム導入背景
より効率的な商品供給を実現するためのシステム構築が必要に
出版流通のリーディングカンパニーである株式会社トーハン様。同社は、出版業界を取り巻く環境の変化に対応すべく、ポイントカードシステム「e‐honブックショップメンバーズ(eBSM)」の構築をスタートさせた。
これまで、出版業界は不況に強いと言われてきた。また従来、「書店」という商売は、極端に言えば入荷した商品を棚に陳列しておけば、本を購入したい読者が自由に手に取り購入してくれることで成り立つ商売と考えられてきた。そのため、「卸」は、どの書店にも一律に商品を供給してきた。しかし、現在も続く消費の停滞、モバイルやネットに代表される情報取得ルートの多様化などの影響で、環境は変化。
市場ニーズを正確にとらえた商品の選定や販売手法が要求されるようになった。ようするに無駄な商品の陳列を避け、店の特性に合った売れ筋商品に的を絞ったプロモーションが必要になったのだ。
そこでトーハン様では、市場ニーズを的確にとらえるための手段として、eBSMの構築を検討。このeBSMの目的としてトーハン様が求めたものは、来店する顧客をポイントカードサービスによって囲い込むことも1つだが、最大の目的は、陳列するべき商品の選択などに有効に利用できる顧客の購買情報を「書店」「卸」で共有し、より効率的な商品供給を実現する事にあった。
システムのポイント
この新システムの構築にあたり、トーハン様がポイントとして置いたのが、以下の3点である。
- 市場ニーズの正確な分析の実現
- 加盟書店が利用しやすいシステムの実現
- 加盟書店が独自性を出せるシステムの実現
(1)市場ニーズの正確な分析の実現 市場ニーズを正確に分析する為には、多くの有効利用できる購買データを集める事が重要であった。 そこで、eBSMを各加盟書店の店頭だけでなく、オンライン書店「e‐hon」とも連携させることで、 リアルとバーチャル書店の購買履歴を統合させることにした。 これにより、より詳細な購買データが取得でき、商品購入層や市場動向の正確な分析が可能となると考えた。
(2)加盟書店が利用しやすいシステムの実現 加盟書店の多くは小規模で事業をおこなう法人であり、独力でポイントサービスや顧客管理の仕組みを構築できるような 体力は持っていない。そこでトーハン様は、顧客管理システムを自社で用意し、加盟書店が無料で使える仕組みを 提供することとした。顧客やポイント数、購買実績など日々更新される情報はすべてトーハン様で一括管理する。 そのため加盟書店は、インターネットに接続できる環境さえあれば、特別な設備や処理は一切必要とせず、 Web上の管理画面で自店の購買履歴を確認し、そのデータを商品の仕入れやプロモーションに活用できるようになる。 購買データから分析した市場ニーズを「書店」と「卸」で共有することで、より効率的な商品供給や販売促進の 実現を目指したのだ。
(3)加盟書店が独自性を出せるシステムの実現
今回のシステムでは、景品の準備・引き渡しは加盟店が行うこととした。こうする事で、加盟書店が独自性を発揮
できると考えたからだ。
加盟書店は、店舗ごとに独自に景品を準備し、eBSMに登録、管理する。
トーハン様が一律に景品を用意する事も可能だが、景品の用意は加盟店に任せた。
その理由は、景品に関しても、地域性や購入者層などの情報を反映することで、商品購入者への訴求力を増す事ができる
と考えたためだ。加盟書店は会員顧客の購買動向を考慮しながら、独自性を発揮した訴求を行う事が出来る。
トーハン様はそのプロモーションをバックアップする。「書店」と「卸」のプロモーション連携を活かせる環境を整えたのだ。
適用ソリューション
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このeBSM開発に採用されたのが、TERASOLUNAの開発手順とフレームワーク、さらにIDEであった。
開発メンバは、今までもJavaで開発していたが、フレームワークを使った事はなかった。しかし、Web開発ではフレームワークを使う事が一般的になってきている事を考慮して、本プロジェクトではフレームワークを採用。メンバにとって、TERASOLUNAの採用は、チャレンジであったが、それでも採用した理由は、フレームワークによる工数削減や品質向上に期待した為であった。
※クリックすると拡大します。 導入効果
TERASOLUNAメンバの効果的な支援
TERASOLUNAを採用する上で、不安要素となったのは、フレームワークに関する有識者がいない点であった。
しかし、設計書等のレビューの場面にTERASOLUNA技術者が同席し、一緒にレビューを行う事で、判断を誤ることがなく、
手戻りが発生することは無かった。それは中国のオフショア先に関しても同じであった。開発にあたったプロジェクトは、
オフショア先との強いパイプを持っている点を強みとしている。その為、今回の開発でもオフショアを行う事が決まっていた。
しかし、オフショア先の技術者がTERASOLUNAを使いこなせるかは、最も大きな不安要素であった。
この不安を解消すべく、TERASOLUNA技術者も一緒に中国に視察に行き、ブリッジSEに説明を行った。この為か、問題が起こることは無かった。
今後のTERASOLUNAの採用について、鳥居氏は「今回の開発でTERASOLUNAの経験が積めたため、今後も新規開発の際には、積極的にTERASOLUNAを使い、
オフショアしていきたいと考えている。」と語る。
プログラム品質の向上
TERASOLUNA採用の最も大きな効果は?との質問に、「TERASOLUNAフレームワーク、IDEの採用で、プログラムの品質が大きく向上した。
特にバリデーション周り(入力チェック・検証)の品質が担保された。」と細田氏は評価する。
プログラムの標準化がはかれた事が最も大きな効果だ。試験で標準以外のバグが出るという事があまりなく、手戻りも少なかった。
これはIDEに含まれるCodeCheckerのおかげだと考えられる。CodeCheckerを使う事で、開発者はコーディングしながらプログラムの
セルフチェックを行う事ができる。問題が検出されれば、即時に修正できるため、レビューや試験時に、大量の問題が検出されることは無くなる。
チェック項目は、TERASOLUNAで選別した124個を推奨ルールとして採用し、重要度毎に分けて表示するため、無駄なチェックや修正を行う事もないので、
コーディングのスピードが落ちる事はない。
「システムが運用されてから半年。ここまでずっと安定している。その品質面はトーハン様も認識し、評価していただいている。」(細田氏)
今後の展望
加盟書店の競争力アップと安定した売上確保を目指す
トーハン様はこの仕組みの活用により、取引先書店の競争力アップと安定した売上確保を目指す。
eBSMの導入で、読者サービスの向上を図ることによる加盟書店の「顧客固定化」に加え、「より精密な購買情報の収集」「店頭実績に基づいた品揃え」
が可能になる。顧客のニーズにより近い品揃えと供給フローが実現できれば、結果として販売につながり、出版流通に携わる「書店」「卸」「出版社」
が3者とも潤うと確信している。
eBSMのPCサービスが始まって3カ月後、モバイルサービスも開始。今後も顧客満足と加盟書店の経営効率向上、安定した売上確保・増売実現を強力に
サポートする為、e-honとの連携を含め、システムも進化させていく考えだ。
| お客様プロフィール | |
|---|---|
| 社名 | 株式会社 トーハン |
| 所在地 | [本社]〒162-8710 東京都新宿区東五軒町6-24 |
| 創立 | 1949年9月19日 |
| 資本金 | 45億円 |
| 事業概要 | ・書籍・雑誌・教科書等出版物の販売と販売企画 ・教育情報関連商品、音楽関連用品等の販売と販売企画 ・情報処理、情報通信、情報提供およびコンピュータ機器の販売とその企画 |
| URL | 株式会社 トーハン http://www.tohan.jp/ |

