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「Developers Summit 2011」レポート
「.NETの業務向けOSSフレームワーク鼎談」会場レポート
〜2011年2月17日 「Developers Summit 2011」〜
掲載日:2011年2月25日
TERASOLUNA Server/Client Framework for .NET を取り上げた「.NETの業務向けOSSフレームワーク鼎談」の模様をレポート。TERASOLUNAフレームワーク開発者として立見博史がスピーカーで登壇しました。
.NETの業務向けOSSフレームワーク鼎談
.NETの業務向けオープンソースフレームワーク「ENTERPRISE LIBRARY(アバナード株式会社:福井厚 氏)」、 「Seasar.NET(株式会社ネクストスケープ:青木淳夫氏)」、「TERASOLUNA(NTTデータ:立見 博史氏)」の開発者3者により、各フレームワークの思想や互いのフレームワークへの質問、開発の裏話まで様々な話が繰り広げられました。普段聞くことができない「中の人」の発言に会場は大いに盛り上がりました。
本レポートでは、特に印象の残った話を紹介します。
なお、当日のプレゼン資料は下記のページにて公開されています。
- 各フレームワークの強みは?
- ENTERPRISE LIBRARY(福井氏):.NETだけに開発元のMicrosoft社のサポートが得られる点が大きなメリットだ。また、.NETの最新バージョンを取りこむこともできる。
- Seasar.NET(青木氏):JAVAの話となるが、SeasarはJAVA版が広く知られている。JAVAから移植されたDIコンテナなどJAVA技術者が知っている知識が使えるため開発者を集めやすい。開発者の確保はシステム開発の上では重要である。
- TERASOLUNA(立見氏):システム全体におけるアーキテクチャの統一を考えたフレームワークである。そのため、金融機関など大規模・複雑な開発への適用実績も多い。また、「なるべく,NETの標準を使う」という思想があり独自の作りこみは必要最小限にしているため、.NET開発者には馴染みが高いと思っている。
- 開発体制、開発方法は?
- ENTERPRISE LIBRARY(福井氏):現在は開発から離れているが以前に開発拠点を訪問した際は、ペアプログラミングやアジャイル開発が活発に行われていた。
- Seasar.NET(青木氏):全国各地の有志が開発するスタイルで、コミッタ―が纏めている。Seaser.NETの発起者が途中で抜ける(農業へ転職)という事態もあったが、有志が引き継いで盛り上げている点は、オープンなコミュニティの力ともいえる。
- TERASOLUNA(立見氏):フレームワークの開発は、社内から.NETのスーパアーキテクトが集められ、短期間での集中開発が行われた。また、企業が開発しているという点で、オープンソースであっても品質はNTTデータの社内基準をクリアして初めて公開となっているため、高い品質のフレームワークとなっている。
- お互いへの質問 【TERASOLUNAからENTERPRISE LIBRARYへの質問】
- TERASOLUNA(立見氏):ENTERPRISE LIBRARYの使い方、組み合わせ方の部分は、一枚皮をかぶせるという点でフレームワークにも通じる肝と思っている。その部分の考え方についてぜひ伺いたい。
- ENTERPRISE LIBRARY(福井氏):共通的な部分はもちろんあるが、業務内容によりフレームワークの範囲が異なったり新技術適用のための拡張が必要となるなど、案件によってフレームワークの要件が変わってくる。そのため、案件毎に「案件に合わせた薄皮作り」が業務システム開発の仕事であるとも考えている。
- お互いへの質問 【Seasar.NETからTERASOLUNAへの質問】
- Seasar.NET(青木氏):TERASOLUNA フレームワークはENTERPRISE LIBRARYのDIコンテナを使用しているが、Seaserは使用しないのか?Seaserは日本語ドキュメントもあるのでお薦めしたい。
- TERASOLUNA(立見氏):開発元のMicrosoftのサポートがある点でENTERPRISE LIBRARYを採用した。技術者にとってはプログラミング言語が世界共通語である(会場笑)。
[記者の一言]
.NETフレームワークといってもそれぞれに特徴があり思想がある点が分かりました。またフレームワークの開発者がフレームワークの利用者(開発者)の使い方や使い勝手を深く考えていることなど、「中の人」の想いを感じる機会となりました。
Developers Summit 2011について
日時:2011年2月17日(木)・18日(金)
会場:目黒雅叙園(東京・目黒)
URL:http://codezine.jp/devsumi/2011